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保育所実習Iに参加して(その1)

2025.04.24|Topics

洗足こども短期大学の1年生は2024年2月に保育所で実習をしました。
保育所実習Iについて、2年生になった佐藤さんにお話を伺いました。

子どもの目線で、世界を見る

保育所での2週間の実習。最初の週は3〜5歳児、2週目は0〜1歳児のクラスに配属された。
「大人の目線ではなく、子どもの目線で関わること」——それが、私の実習中の大きなテーマだった。

0〜1歳児のクラスに入る前、園長先生からは「泣かれちゃうかもしれないね」と言われていて、少しだけ不安だった。でも、それ以上に大切にしたかったのは、警戒されることも、うまく関われないことも恐れず、とにかく“自然体の自分”でいること。
子どもの気持ちに寄り添い、「一緒にいる」ことを目標に、生活の中に飛び込んだ。

五感と遊びと、子どもの発見

0〜1歳児の子どもたちは、音の鳴るおもちゃや、感触を楽しめるものなど、五感を使って遊ぶのが大好きだった。それを間近で見て、「子どもが何に反応し、何を面白がるのか」を知ることの面白さを実感した。

ただ、その中で気づいたのは、自分が「安全」に対してとても敏感になっているということ。「危ないよ」「だめだよ」と、すぐに言ってしまいたくなる気持ちをグッとこらえて、先生方の「まずは信じて見守ること。止めるのは本当に危ないときだけでいい」というアドバイスを胸に刻んだ。

すると、子どもたちの動きにはしなやかさがあり、自分の体の使い方を知っているような感覚すら見えてきた。そうか、「守られすぎること」は、子ども自身が持つ力を育てるチャンスを奪ってしまうのかもしれない——そんな学びが、じんわりと心にしみていった。

「一緒にいる」ことで育つ、信頼

実習の終盤、私のところに駆け寄ってくる子がいた。困ったとき、泣きそうなとき、ちょっと甘えたいとき。
「あ、今、この子にとって、私は“安心できる人”になれたんだ」と思った瞬間、胸が熱くなった。生活の中で子どもと築いた関係が、確かに形になっていた。

それは、保育者という仕事だからこそ味わえるやりがいであり、かけがえのない喜びだった。

ドキュメンテーションが教えてくれたこと

今回の実習園では、ドキュメンテーションを活用して子ども一人ひとりを深く見つめる機会があった。
以前の実習では苦しくて仕方がなかった日誌。でも今回は、書くことが楽しくて仕方なかった。

一見ふざけてばかりいるように見える子にも、注意深く観察することで、小さな優しさや思いやり、責任感が見えてくる。そんな瞬間に出会うたび、「人間って、面白いなぁ」と思わずにはいられなかった。

この体験が、子どもたちの将来にどうつながっていくのか——想像するだけで、わくわくする。
進路はまだ決まっていない。でも、この実習を通して改めて感じた「人間の面白さ」を、これからもずっと追いかけていきたい。

 

洗足こども短期大学では、実習指導を含めて、学生がしっかりした専門の知識と技術を身につけ、社会に貢献できる保育者を育てています。今回の実習で、0歳児の保育を経験してきた佐藤さんは子どもたちとの関わりの中で保育の楽しさや人間の面白さを実感してきたようです。残り1年間の授業や実習を通じて、自立、挑戦、奉仕の精神を大切に、社会に貢献できる保育者としてさらに成長できるようにサポートしてまいります。

実習生を受け入れていただき、ご協力、ご指導いただきました保育所の先生方、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。