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教育実習Ⅱインタビュー (その2)

2025.08.05|Topics

洗足こども短期大学の2年生は、5月~6月に2週間の教育実習Ⅱを実施しました。
今回の実習は、幼稚園免許取得の最後の実習で、1日、担任の先生にかわって子どもたちの前に立ち保育を進める経験もしました。学生にとっても大きな経験になったようです。
実習が終わった2年生の内園さんに教育実習についてお話を伺いました。

①幼稚園実習で一番学びになったこと

今回の実習では、責任実習を行う5歳児クラスが中心でしたが、最終日までの間に3〜5歳の全てのクラスに入りました。昨年に比べて部分実習や責任実習などで子どもの前に立つことが多く、責任実習までに子ども一人ひとりのことを理解しなくてはいけない為、適切な声かけや援助、子どもの内面を理解できるように積極的に話しかけてみました。しかし、全ての子どもが自分から言葉で伝えてくれるとは限らず、「どうしたの?」と声をかけても目は合うけれど黙って側からいなくなってしまうなど、子どもと会話をすることに苦戦する日が続きました。「どうしたの?」と聞かれても自分の思いを相手に伝えることが難しい子どもにとっては、答えづらい声かけだったのかなと思い、ある日、子どもが何を見ているのか視線の先にあるものや表情にも注目し、同じ目線になって「これ何だろうね?」「素敵なものがあるね」と表現の仕方を変えると、黙って頷くだけだった子どもも自分の言葉で話してくれるようになり、最終日には年齢問わず関わった全ての子ども達が自分から話しかけてくれました。同じ意味を持つ言葉でも表現を変えてみると伝わり方が変わるため、言葉の言い回しが大切だと実感しました。保育者が子どもの気持ちに共感できると満足した笑顔を見せてくれて、この表情が子どもの内面を理解できた証拠になるのかなと自分なりに答えを見つけることができました。

②実習先の先生からいただいたアドバイス

子どもが「やりたい」と思う気持ちを尊重するための先生の働きかけについて、4歳児クラスの先生が心掛けていた2つのポイントがとても印象に残っています。
1つ目は、「子どもが言葉にして伝えてくれたことは逃さず聞いて子どもの気持ちに全力で乗っかることで、子ども達は今後の幼稚園生活に期待を膨らませることができ、より楽しむことができる」ということです。子どもの発言に耳を傾けることで、大人が気づかなかった新たな気づきから遊びや活動を発展させることができ、先生も子どもと一緒に楽しむことができることを感じました。
2つ目は、「子どもの行動に効果音をつけて実際に声に出してみたり、大袈裟に反応することで、子ども達が新しいことにチャレンジしようという気持ちに繋げることができるうえ、子どもの注目を集めることができる」ということです。知っていることでも、子どもと同じ立場になって、「えぇ!すごい!!」「うわぁ!」と反応することで、初めてのことに恐怖や不安を感じている子どもも、大好きな先生の反応を見て自然と環境に溶け込めるようになることを、実際に先生方の姿を見て感じることができました。

③実習の感想

今回の実習のメインである責任実習は、指導案を担当の先生と一緒に組み立てるところから緊張していました。たった1日の保育の流れを組み立てるまでに何時間も打ち合わせをして、何回も考え直し、その度に子どものことを思い浮かべて…子どものことが本気で好きでないと務まらない仕事だと思いました。当日の流れをどれだけ頭の中でイメージしても、その通りに進むことはなく、臨機応変に対応していかなくてはならない場面ばかりでした。何年も幼稚園教諭として働いているプロでも、「毎日が新しいことの連発で、必ず失敗と課題がある」と保育の難しさを教えていただきました。今回の自分の行動が果たして適していたのか、保育に正解はないから誰にもわからないけれど、何日もかけて周りの助けを借りながら試行錯誤し、一生懸命組み立てた保育を子ども達が怪我なく笑顔で楽しんでくれた姿は一生忘れないと思います。子ども達が幼稚園生活を楽しめるように、先生方が愛を持って真剣に子ども達と向き合う姿から改めて幼稚園教諭の魅力を感じ、「子どもの言葉を大切にし、逃さず受け止め、子どもと共に日々成長できる先生を目指そう」と新たな目標を見つけることができました。

洗足こども短期大学は、「実践力」、「表現力」、「協働力」の3つの力が揃った幼稚園教諭・保育士を育てることを目指しています。内園さんは、子どもが何を見ているのか視線の先にあるものや表情にも注目し、同じ目線になって「これ何だろうね?」「素敵なものがあるね」と表現の仕方を変えることの大切さを実感したようです。内園さんが卒業までに「実践力」、「表現力」、「協働力」3つの力が揃った保育者になれるように全力で応援していきます。

実習生を温かく受け入れていただきご指導いただきました幼稚園の先生方、本当にありがとうございました。洗足こども短期大学の教職員一同厚くお礼申し上げます。